
イオンモール株式会社(以下「イオンモール」)は大規模地域開発及びショッピングモール開発と運営、不動産売買・賃貸・仲介を行う企業です。
今回、イオンモールの住宅仲介業を手掛けるイオンハウジング様より、店舗オープン以来ずっと頭を悩ませ続けてきた“課題”の解決に向けたご相談を受け、TimeRepを導入していただきました。ハウジング事業推進部の担当者である三瓶和広様に、TimeRep導入の経緯や活用方法、その効果についてお話を伺いました。
導入前の課題
- お客さまの来店数が少なくなる19時以降の人件費や社員の配置計画
導入の決め手
- コールセンターでのお客さま対応を含むワンストップのリモート接客対応
- アバター機能
導入後の効果
- 早番・遅番の2シフト体制からの脱却
- 人件費の削減と業務の効率性アップ
- スタッフ間のコミュニケーション増加
活用方法:19時以降のお客さま対応をまるっとリモートでおまかせ
現在、イオンモールに出店している直営店全4店舗にTimeRepを導入しています。
お客さまのご来店が少なくなる19時以降のご対応をTimeRepのアバター接客に任せ、21時の閉店までの2時間を完全無人で店舗運営しています。
導入前の課題:来店数が少なくなる19時以降の人件費や社員の配置計画
イオンモールに出店するイオンハウジング店舗(一部を除く)では、10時~21時を営業時間としています。
10時から21時までの営業では、早番と遅番の2体制シフトを組まなければなりません。そのため遅番専門の従業員を雇用するなど対応していましたが、不動産という商材の特性上、19時以降はご来店されるお客さまはあまり多くないことから、稼働していない時間帯の人件費がかかることが課題でした。
オープン以来、この現状を課題としていましたが、なかなか効果的な施策を打つことができずにいました。
約10年前には、20時以降は転送電話によるリモート対応で接客するというシステムを導入したこともあります。しかし、結局20時以降も店舗従業員の待機が必要となり、シフトを組む煩雑さや従業員の労働時間といった点で目に見える改善には繋がりませんでした。
導入の決め手:ワンストップのリモート対応と臨場感のあるアバター
10年前の転送電話では、結局シフトを組む煩雑さや従業員1人1人の労働時間と言った課題を大きく解消することはできなかったので、リモート接客のシステムとコールセンターをワンストップでお願いできる点は大きな魅力でした。
また、アバターというのも魅力に感じた部分です。私は以前導入した転送電話はコミュニケーションとしてやや冷たさがあるのではないかと思っていました。もちろんアバターも顔は見えないのですが、お客さまが話したことに対して目に見えるリアクションがあるというのは対面コミュニケーションの臨場感を大きく損なわないのではないかと感じました。
加えて、扉や壁などで通路と仕切られていない店舗の設計上、気楽に立ち寄って気楽に帰られるお客さまが多いので、アバター接客の着かず離れずの距離感も、私たちの普段のお客さま対応に落とし込みやすいのではないかという予測がありました。
導入までの経緯:時代の変化が感じさせた働き方の柔軟性
既に述べたようなアバターやコールセンターとの連携という、私たちの課題解決に向けた機能面での充実もありましたし、何より担当者の方が臨機応変に色々な対応をしてくださったこともあり、TimeRep以外の他社サービスやシステムで迷うことはありませんでした。
社内での承認フローや新たにTimeRep用の回線を引く電気工事に向けたシステム部との部署間連携などで、運用開始までに思いのほか時間がかかってしまいましたが、社内で無人接客システムを導入している前例もありましたし、導入に対して後ろ向きな意見もありませんでした。
これはおそらく、新型コロナウィルスの流行の経験や、働き方改革が推進されるといった時代背景に後押しされた側面もあったと思います。
感染症の流行によって店を閉めざるを得ない状況を経験し、働き方も多様化したことでそういった認識が少しずつ変化し、固定観念から脱却することで柔軟になっていった。そうした時代の変化に後押しされるかたちで、弊社でもアバター接客というソリューションを受け入れる土台が自然と作られていったのではないかと考えています。
導入後の効果:ストレスの削減とコミュニケーションの増加
TimeRepの導入により、有人の営業時間を10時~19時に圧縮する体制を整え、オープン以来の課題だった2体制のシフトの解消を実現できました。出勤する従業員全員が始業時に顔を合わせ、終業の19時に揃って帰れるため、人件費や残業も削減することができていますし、従業員同士がコミュニケーションを取る機会が増えた実感もあります。また、これまで生じていたシフトを組む事務作業に煩わされる時間もなくなり、その分だけ業務の効率も上がっているので、当初狙っていた効果や目標は十分に達成できていると思います。
元々お客さまのご来店が少ない時間帯での限定的な無人化ですから、機会損失のような営業面でのマイナスはありません。
19時以降の無人対応があった場合は、翌日にコールセンターからのメールを確認して必要に応じてその後のご案内をしていくこともありますが、前述の通り流動的なお客さまが多いため、アバター接客で十分にご対応ができています。
また、これは今後の展望になりますが、利用する機能を拡大していくことも考えています。今はまだ直営店4店舗の導入ですが、ゆくゆくは全国のネットワーク加盟店29店舗でも展開していくことができれば、営業時間の長さという加盟障壁を1つクリアすることができるため、加盟店の増加にも繋がっていくのではないかと予測しています。
取材日:2025年4月21日
取材協力
会社名 イオンモール株式会社
URL https://www.aeonmall.com/
住所 千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目5番地1 7F・8F
事業内容 大規模地域開発及びショッピングモール開発と運営
不動産売買・賃貸・仲介 [国土交通大臣(4)第7682号]